イギリス ロンドン サーペンタイン・ギャラリー
- 私の旅行記
- 2019年11月29日
- 読了時間: 8分
更新日:2020年12月28日

こちらは、「ハイド・パーク」の「ケンジントン・ガーデンズ」にある現代アートギャラリー「サーペンタイン・ギャラリー(Serpentine Galleries)」です!
「ハイド・パーク」と「ケンジントン・ガーデン」に「サーペンタイン・レイク」を挟んで、北と南のふたつの展示室から構成されている「サーペンタイン・ギャラリー」では、年間を通して多彩なエキシビションが開かれ、ライブイベントや教育プログラムなどを通じて、革新的な芸術、建築、デザイン、ファッションなどを広く発信しています。

どちらの展示室も現代アートが中心で、意欲的なインスタレーション作品、参加型のアート作品の展示もを少なくありません。
入場も無料で国際的にも評価の高い展示を観ることができるこのギャラリーには、年間120万人の来場者を魅了しています。
今回はそんな、「サーペンタイン・ギャラリー」について詳しくご紹介させていただきます。
【歴史・概要】

「サーペンタイン・ギャラリー」は、1934年に建設された「ティー・パヴィリオン」を改修し、70年にロンドンの「ケンジントン・ガーデンズ」内に開設した、近現代美術の企画展示を行なっている美術館です。
「serpentine」は「蛇状にくねる」という意味で、近くにある池の形に由来し、2000年より毎年夏季限定で、隣接する場所に仮設の休憩所として異なる著名建築家によって建設されているのが「サーペンタイン・ギャラリー・パヴィリオン」。
前衛的なデザインによって建築界の注目を集めており、プロジェクトは世界の一線級で活躍する建築家と総合エンジニアリング・コンサルティング会社「オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ社」の協働によるものが多く、建築家の選択においてはイギリスでの実作がないことが条件とされています。

日本の建築家では、2002年には「伊東豊雄」、2009年には「SANAA」が設計しており、「伊東豊雄」は「オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ社」に所属する構造家「セシル・バルモンド」とともに、正方形を一定の条件で回転させ、彼の構造解析によって可能となった架構システムによる、不規則に見える柱と梁の線の交錯が抽象的な表情をもつ建築を生み出しました。
「SANAA」の「パヴィリオン」は、平面的には雲もしくは水滴を参照した形状をもち、鏡面アルミ素材の反射と屈折映像により、そこに映る風景や動く人の像が振動する空間を生みだしました。

その他、「パヴィリオン」の設計にはこれまで「ザハ・ハディッド(2000)」・「ダニエル・リベスキンド(2001)」・「オスカー・ニーマイヤー(2003)」・「MVRDV(2004、延期)」・「アルヴァロ・シザ+エドゥアルド・ソウト・デ・モウラ(2005)」・「レム・コールハース(2006)」・「オラファー・エリアソン(2007)」・「フランク・O・ゲーリー(2008)」・「ジャン・ヌーヴェル(2010)」・「ピエト・オウドルフ」の庭園とコラボレーションを行なったピーター・ズントー(2011)」が参加しています。
2013年9月には、【登録指定建造物】である元火薬庫を改築した、 「ザハ・ハディド」設計の「サーペンタイン・サックラー・ギャラリー」が別館としてオープンし、「サーペンタイン・ギャラリー」からは歩いて5分の距離にあります。
【アクセス・開館時間】
「サーペンタイン・ギャラリー」は、ロンドン中心部西寄りの「ケンジントン・ガーデン」内「サーペンタイン・レイク」のほとりに建てられ、地下鉄の「ランカスター・ゲイト駅」や「ナイトブリッジ駅」から歩いて10-15分ほどの位置にあります。
毎週月曜が閉館日で、開館時間は10:00am~6:00pmです。展示の準備期間中はいずれかのギャラリーが閉室していることもあるので、事前にチェックすると良いでしょう。
また、「サーペンタイン・ギャラリー」と「サーペン・サックラー・ギャラリー」は、「サーペンタイン・レイク」を渡って行き来することができます。
【サーペンタイン・ギャラリー:魅力・見どころ!】

「サーペンタイン・ギャラリー」では、「ヘンリー・ムーア」・「アンディ・ウォーホル」・「ポーラ・レゴ」・「ソンドラ・ペリー」・「ブリジット・ライリー」・「アラン・マッコラム」・「アニッシュ・カプール」・「クリスチャン・ボルタンスキー」・「フィリップ・パレノ」といった著名な芸術家の作品を観ることができます。

また、ギャラリーの入り口には、かつてギャラリーのパトロンであった故ダイアナ妃に捧げられた作品があります。
そんな「サーペンタイン・ギャラリー」では、具体的にどのような展示が楽しめるのでしょうか。分野を超えた最先端の展示やイベントの一部をご紹介させていただきます。
〖時代を先取りする現代アートの展覧会〗

「サーペンタイン・ギャラリー」では、時代の先端を行く現代アーティストたちの展覧会を数多く開催してきました。
「ダニエル・ビュレン」・「イリヤ&エミリア・カバコフ」・「ジェフ・クーンズ」・「リー・ウーファン」など、日本でもよく知られたアーティストたちの個展のほか、独創的なキュレーションによるグループ展も開催しています。
日本人では、「草間彌生」・「川俣正」・「森万里子が」個展を開催。近年は、世界的に有名なキュレーターである「ハンス・ウルリッヒ・オブリスト」をアーティスティック・ディレクターに迎え、ますます野心的な企画を展開しています。
〖分野を超えた多様なアートを楽しめるイベント〗

「サーペンタイン・ギャラリー」では、ヴィジュアル・アートの展示だけでなく、多分野のアートが結びついたライブパフォーマンスやレクチャーなど、多彩なイベントを展開しています。
開催中の展覧会にまつわるキュレーター・トークに加えて、実験的なオペラやジャズのコンサート、現代アーティストによる哲学的なパフォーマンスなど、まさにジャンルレスなイベントが毎週のように用意されています。
また、子ども向けのワークショップを実施する週には多くの家族連れが参加しています。
※イベントによって入場料が必要になりますのでご注意ください。
【サーペンタイン・ギャラリー・パビリオンについて】

毎年夏季(6〜10月)には期間限定で「サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン」という企画が実施されており、世界の一流の建築家が造る休憩所とカフェを楽しむことができます。
これらのプログラムは、一連の屋外彫刻プロジェクト、特別アーティスト委員会、デジタルコミッション、公立および教育プログラム、有名な「Edgware Road Project」を含む主要なアウトリーチプロジェクトによって補完されています。
【サーペンタイン・サックラー・ギャラリー】

「ケンジントン・ガーデンズ」の中心部に位置する場所にあるのが、古い弾薬庫を改装したギャラリー「サーペンタイン・サックラー・ギャラリー」。
900平方メートルのギャラリー・スペースを擁し、レストランやショップ、コミュニケーションスペースを併設しています。

故ザハ・ハディッドによるデザインが特徴的な「サーペンタイン・サックラー・ギャラリー」は、1963年まで軍事利用されていた倉庫を「ザハ・ハディド」による設計で増改築して生まれ変わらせ、2013年にオープンしました。
平面が真四角の展示空間で、基本的には企画展を開催しており、ファッションやファッションに近い内容の展示が多く開催されています。中央には既存の倉庫を活かした展示スペースもあり、雰囲気がとても良いです。
〖流線型のデザインが特徴的な「ザ・マガジン」〗

火薬庫だった倉庫の脇には「ザハ・ハディド」らしい流線型のデザインが特徴的な「ザ・マガジン」と言う愛称のカフェがあります。
どろっとした液体を形状記憶したような屋根がとても斬新で、内部に入ると、有機的な曲面の屋根に包まれる不思議な空間が広がり、その屋根をレンゲのような柱が支え、そこから自然光が入るように設計されているのがわかります。
入って右手の壁はギャラリーのレンガの壁がむき出しで不思議な雰囲気。天井から壁へと変化するデザインと同じようにカウンターなどの什器も流線型で統一されています。
天井に反射する光が柔らかく、洞窟のようにもテントのようにも感じられ気持ちが良いです。
そしてなぜかカフェは日本推しで、日本酒や日本の要素を取り入れたアフタヌーンティーが人気です!

【基本情報】
サーペンタイン・サックラー・ギャラリー(Serpentine Sackler Gallery)
住所:W Carriage Dr, London W2 2AR UK
電話:+44 20 7402 6075
開館時間:10:00~18:00
休館日:月曜日
いかがでしたでしょうか。
「サーペンタイン・ギャラリー」は、「ロンドンのセントラル・パーク」とも言える「ケンジントン・ガーデン」内に位置しており、誰でも無料で見学することができるギャラリーです。
ギャラリー自体はそれほど広くないので、アートが大好きという方でなくても、かつての王室専用ガーデンを楽しみつつ気軽に足を運んでみるのがおすすめです!
「ケンジントン宮殿」&「ケンジントン・ガーデン」についての詳細はこちらの記事をご覧ください!➡
【基本情報】
サーペンタイン・ギャラリー(Serpentine Galleries)
住所:Kensington Gardens, London, W2 3XA
電話番号:+44 20 7402 6075
開館時間:
火曜日〜日曜日:10:00am~6:00pm
休館日:月曜日
料金:無料
アクセス:地下鉄の「ランカスター・ゲイト駅」や「ナイトブリッジ駅」から歩いて10-15分ほどの位置にあります。
※記事内容は執筆時点のものですので、最新の内容をご確認ください。
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